CD&DLでーた(2010年/角川マガジンズ)に掲載されたCHEMISTRY・堂珍嘉邦さんのコメントをご紹介します(以下に抜粋)。
イエロー・モンキーが活動を休止した2001年にCHEMISTRYとしてデビューされた堂珍さんは、ロビンのソロライブに花を贈られたり、雑誌にコメントを寄せたりされてロビンとは飲みに行くほど交流があることで知られています。この記事では「愛する歌」というテーマで、イエロー・モンキーの「TVのシンガー」を挙げてらっしゃいました。
「レジェンドですよね。最後のロックスターと言ってもいいんじゃないのかな」
俺が16歳のころかな、バンドを組んでカバー曲を演奏するのが、先輩たちの間で流行っていたんですよ。その中でも人気だったのが、THE YELLOW MONKEY。ふだんは特別というわけじゃない先輩たちが、バンドをやることですごく輝く。その姿に憧れたのが、イエモン(THE YELLOW MONKEY)を聴くようになったきっかけです。ヒット曲「太陽が燃えている」から始まって、どんどん探っていったら(ボーカルの)吉井(和哉)さんはグラムロックが好きなんだな、とか。まぁ、当時はグラムロックがなんなのかわからなかったんですけど(笑)、とにかくカッコいい!というのがありました。今になってみればレジェンドですよね。最後のロックスターと言ってもいいんじゃないのかな。今改めてすごいバンドだったなという思いがあります。
「TVのシンガー」は、かなり個性的な曲。テレビに出るようになったシンガーのせつなさ、華やかな一方で悲しい生き様になってるんじゃないかということを歌っていて。♪TVのシンガーこれが現実 君の夢などこっぱみじんさ♪というフレーズがあるんですけど、そこにすごく共感しました。もちろん自分がデビューするずっと前なんですけど(笑)、テレビに出て歌っている人が自分を皮肉っているような感じがスゴイな、と。ただ、歌詞は強烈なんですけど、僕はそれがロックだから救われるのかな、とも思ってて。自分もこういうロック魂にあこがれるのかもしれない。前向きな歌を疑いたくなる瞬間が時々やってくるんですよね。
取材:鈴木麻子/撮影:高木博史