ROCKIN’ ON JAPAN (2010年/ロッキング・オン)に掲載された、rockin’on group編集部スタッフ・井上貴子さんの「Bunched Birth」アルバムレビューをご紹介します(以下に抜粋)。
井上さんはインディーズ時代からイエロー・モンキーに注目し、92年のメジャーデビューで同誌にインタビュー記事を掲載、ロビンの人気コラム「吉井和哉のマル秘おセンチ日記」にも名前が登場しました。同誌には井上さんによる数多くのイエロー・モンキーのインタビュー、レビュー記事が掲載されましたが、解散中に実施された結成20周年の特集内で改めて「Bunched Birth」についてレビューされていましたので、「Bunched Birth」発売日である7月21日に合わせ、ピックアップしてご紹介します。
「つまり彼らは、誕生の瞬間から、あまりにもロックの本能そのものだったのだ」
アンセムともいうべき“WELCOME TO MY DOGHOUSE”は、楽曲もアレンジもスリリングな演奏も、今なお破格にカッコいい。そして<黒い見世物小屋へようこそ>とリスナーを招きながら、<ここから早く出たいよ!>と自ら叫ぶパラドックスな衝動。誰も観たことのないエンタテインメントでみんなを興奮させたい、と同時にその見世物小屋を飛び出し新しい世界を見たい、創造したい。そんな原動力が彼らをスタジアム・バンドへと導き、皮肉にも解散へと導いた。つまり彼らは、誕生の瞬間から、あまりにもロックの本能そのものだったのだ。
ROCKIN’ ON JAPAN
(2010年/ロッキング・オン)より抜粋
<記事内で登場した作品>