吉川晃司ファンクラブ「K2」会報 Vol.121(2008年)に掲載された、吉川晃司さんのコメントをご紹介します。
2005年の「LIVE With xxxEXTRA」「エンジェルチャイムが鳴る夜に」でアニーを、2007年の「TARZAN
」よりエマをサポートメンバーに音楽活動をされている吉川さん。特にエマとの活動は長く、「TARZAN
」以降のレコーディングの他、雑誌対談、TV共演、デビュー30周年記念ライブDVD
発売の際のイベントではトークセッションもされていて、“菊地英昭”でなく“エマちゃん”と呼んで交流を深められています。運営者は吉川さんのライブにも足を運んでいますが(2011年以降)、MCで話を振る頻度も多くエマを重要なメンバーと位置づけられていて、吉川さんのファンもエマに声援を贈られていました。
「(EMMAちゃんは)女の子向けのアニメに出てくるヒーローみたいな感じ。でも兄弟でまったく違うよね。ANNIEは男っぽい」
―お二人が初めて会ったのは、2005年末の“THE FIRST SESSION KIKKAWA KOJI LIVE 2005”ということになるんですよね。ANNIEさんがドラマーとして参加していて、EMMAさんが楽屋に遊びに行ったとのことですが。
吉川晃司:EMMAちゃんにお会いしたのはその時が最初だったけど、その前から意識していて。THE YELLOW MONKEYが解散したのを聞いて、何をするんだろうなってことは思っていたんですよ。色んなギタリストとやりたいなと思っていて、EMMAちゃんのこともずっとのぞいていたという(笑)。マネージャーがEMMAちゃんの「LET THE MUSIC DO THE TALKING」という本を買ってきてくれたので、読んだら、レスポールをいっぱい持っていたり、アニメのヒーローとか結構お馬鹿なものが好きだったりして、同じだなって。で、なんとなく一緒にやれるんじゃないかなって、思っていたんですよ。
エマ:ヒーローものはかなり重なっていましたね。
吉川:ロックサウンドにおけるボーカリストとギタリストって、野球で言えばピッチャーとキャッチャーみたいなものだし、多分、この人はこだわりが強いだろうから、きっと下手なヤツとはやりたくないんだろうな、気に入らなきゃやらないんだろうなって思っていた。一緒に音を出してみて、やれると思ったら、「やるよ」と言ってくれるだろうけど、やりたくなかったら、そのまま帰っちゃうタイプだろうなって。
エマ:そんなことないよ。そのまま帰ることはない。けど、あとから言うかも。
吉川:そうでしょ(笑)
―EMMAさんは吉川さんについて、どう思っていたんですか?
エマ:以前にも声をかけてもらったことがあったんですけど、その時はバンドの解散のこともあったし、プライベートなことでもナイーブになっていた時期だったので、まったく動けなくて。
吉川:バンドを解散して、すぐに動くのって、どうだろうとか、吉川晃司とやるのって、どうなんだろうとか、色々と考えることもあったんでしょ?
エマ:いや、それ以前に精神的にナイーブになってて、動けなかった。それは自分でもびっくりだったんだけど。でもやりたいなって気持ちはあったんですよ。
吉川:本当に?
エマ:うん。やらないかって話をもらったって時に、こんな俺でも声をかけてくれる人がいるんだなって嬉しかった。自分の中では男のボーカリストは絶対的な存在感を持っている人じゃないと嫌だったんだよね。子供の頃からアニメのキャラだと、次元大介(『ルパン三世』)やコンドルのジョー(『科学忍者隊ガッチャマン』)とかが好きだったし、ギタリストとしてセンターじゃなくて、そういう位置にいたいと思っていて、晃司君と一緒にやったら、きっとそういう位置に立てるんだろうなって。
エマ:うん。で、実際に一緒に演ったのはテレビの仕事が最初だったんだけど、カメラリハの時に、真っ先に挨拶してくれたのが印象的だった。
吉川:普通、それはそうするでしょう。
エマ:そうだけど、現場ってバタバタしていたりするから、時間がないと、ステージに立つ直前に挨拶したりするじゃない?そうじゃなくて、カメラリハの時にわざわざ僕を捜して、挨拶しに来てくれて、ちょっと驚いた。この人はそういう人なんだって。
吉川:スポーツで人格形成しちゃってるから、いわゆる音楽の人とはちょっと違うのかもしれない。
エマ:確かに、まわりにいる感じとはちょっと違うと思った。
吉川:でもANNIEは結構似てると思うよ。スポーツっぽいところがあるし、王子キャラの兄ちゃんとはキャラが違う(笑)
エマ:王子キャラじゃないって(笑)。そんなにふんぞりかえったりしてないって。
吉川:EMMAちゃんは王子キャラの意味を取り違えてると思うよ。えらそうっていうんじゃなくて、女の子向けのアニメに出てくるヒーローみたいな感じ。でも兄弟でまったく違うよね。ANNIEは男っぽい。
―でも実はEMMAさん、内面はずぶといというか、かなりタフなんじゃないですか?
エマ:結構、“汚れ”だから。
吉川:KILLER MAYの頃は“汚れ”をやっていたという。
吉川晃司ファンクラブ「K2」会報 Vol.121(2008年)より抜粋
CHIEF EDITOR:MAKOTO HASEGAWA/PHOTO:SHINJI HOSONO(STAR SHOT)
※会報の最終ページにあるクレジットを参照
<記事内で登場した作品>
※収録曲「MODERN VISION」でエマが参加
KIKKAWA KOJI 30th Anniversary Live “SINGLES+ RETURNS”
吉川晃司 30th Anniversary Live”SINGLES+ RETURNS”【TBSオンデマンド】
※セッションメンバーとしてアニーが参加