BRIDGE(2008年/ロッキング・オン)に掲載された、スピッツ・草野マサムネさんのコメントです(以下に抜粋)。イエロー・モンキーと同じ渋谷のライブハウス「La.mama」出身バンドとして知られているスピッツ。ロビンとは、スピッツが主催のライブイベント「ロックロックこんにちは!」で共演されたり、ソロライブのシークレットゲストとして出演されたりして交流がありますが、きちんと向き合って話すのはこの対談が初めてだったとのこと。同世代のアーティスト、人間として、興味深い話が繰り広げられています。
「よく通路とかで聴いてて。「すげえっ!」と思って。みんななんか足長いし。そん時からもう、艶(あで)な感じを持ってた」
ーでは「相手を漢字一文字で表すと何になりますか?」。これはねぇ、マサムネくんから行くんですけど、これも一貫してるんですね。艶やかの「艶(あで)」っていう字。
草野マサムネ:それ、「つや」って読むとね、九州弁だと、気取ってるとか悪い意味になっちゃうんで、一応「あで」と読んで。
ーこれはやはり、「ロックスターなカリスマ性」と同じニュアンスですね。
草野:そうですね。オーラがある感じ。
ー「艶」だって、吉井さん。
吉井和哉:そう、それもよく言われますねぇ。
草野:水晶の「晶」とかね。
ーほおお。いいイメージですねぇ。
吉井:すごい。素晴らしいです。
草野:俺ね、最初に吉井くんのこと見たのが、方南町にあるタッツっていうリハーサル・スタジオで。たまたま横のスタジオで練習してたの。
吉井:それってデビューしたばっかぐらいでしょ?
草野:デビューしたばっかり。『夜行性のかたつむり達(とプラスチックのブギー)』の頃。
吉井:ああ!そん時だ!
草野:音漏れるんだよね。それで、よく通路とかで聴いてて。「すげえっ!」と思って。みんななんか足長いし。そん時からもう、艶(あで)な感じを持ってた。
ー成功する前から?
草野:うん。だけど、初期の1枚目、2枚目とかも聴いたことあるんですけど、当時の音楽シーンの中においては、まあ俺も人のこと言えないけど、売れなそうな音楽で。
吉井:売れなかったです(笑)
草野:今聴くと「おお、カッコいい!」っていう。21世紀になって聴けばね。その辺は結構、シンパシー覚えたりも(笑)
BRIDGE(2008年/ロッキング・オン)より抜粋
インタビュー:渋谷陽一/撮影:大森克己