BPASS(バックステージパス)(1995年/シンコーミュージック・エンタテイメント)に掲載された、ロビンとの対談における美輪明宏さんのコメントをご紹介します(以下に抜粋)。この対談がきっかけでロビンと出逢った美輪さんは、その後ライブに花を贈られたり、フジテレビ「笑っていいとも!」テレフォンショッキングでロビンとヒーセを紹介されたり、2001年の東京ドームライブに足を運ばれたり、ロビンとイエロー・モンキーを応援されていました。また、ロビンに関しては著書「天声美語」で名前を挙げ、解散中に「僕らの音楽」(2006年/フジテレビ)でも対談されています。そして、2016年のイエロー・モンキー再集結時にも花を贈られ、2017年にはニューベストアルバムのアートワークに登場するキャラクター・「TYM」の声を担当、コラボレーションが実現しました。
「吉井さんの声がいいわ。男っぽい、ちょっとしゃがれた声で。」
吉井和哉:美輪さんはよく、“ロックは嫌いだ、ロックを聴くとバカになる”っておっしゃってますけど…
美輪明宏:そうね。でも、ロックが全部嫌いなわけじゃないのよ。たとえば、ビートルズは好きだし。彼らの音楽は、バロックが基盤になってるでしょ。あの人たちの前世は、もしかしたら15~16世紀の吟遊詩人じゃないかしら。ヘア・スタイルも、あの時代のものだしね。あと、聖飢魔Ⅱなんかも聴けるのよ。いつかテレビでしゃべってるのを観てたら、デーモンさんもクラシックをやってたんですってね。ただ、ほら、よくあるでしょ。ヒーッて叫んでるだけみたいなやつ。あぁいうのは、ダメ。あんな音楽は、耳からウンコ食べてるみたいなもんだって、よく言ってたのよ(笑)。でも、そのくせなぜか、ロックやってる人のファンが多いのよね。だから、ロックの悪口ばっかり言ってると申し訳ないんだけど(笑)
吉井:イエロー・モンキーの音楽はどうでした…?
美輪:吉井さんの声がいいわ。男っぽい、ちょっとしゃがれた声で。ロックを歌うんなら、やっぱり吉井さんみたいな声がいいわね。変な外人かぶれの巻き舌にもなってないし。私、あれをマジでやられちゃうのも嫌なのよ。サザンみたいに、サウンドの一部になっちゃってるんならいいんだけど
吉井:よかったー。それを聞いて、ちょっと安心しました(笑)
BPASS(バックステージパス)(1995年/シンコーミュージック・エンタテイメント)より抜粋
「吉井和哉×美輪明宏 紫の記念日」
文:村野弘正/撮影者:細野晋司
<記事内で登場した作品>